ジミー・リャオの最新作『おなじ月をみて』

台湾の国民的絵本作家で、世界中で出版されてきたジミー・リャオさんの作家生活20周年を記念して描き下ろされた、会心作です。
2018年3月のボローニア・ブックフェアは「中国年」。台湾の特別ブースで、ひときわ光をはなっていたのが、本書でした。
一読して心を奪われました。フェアに参加していたジミーさん本人と運よく会うことができ、日本で発行する契約にこぎつけました。

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少年ハンハンは、窓辺に立って、ひたすら待っています。
現れたのは、ライオン。ハンハンの家にまっしぐらにやってきます。前足にくぎのささったライオンを、ハンハンは、やさしくてあてをします。

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さらに、窓辺で待ちつづけるハンハン。
キバをきりとられたゾウ、つばさに矢がささったツル……傷ついた動物たちが、次つぎやってきます。夜空にうかぶ月は、三日月から半月、満月へと。ハンハンは、だれを待っているのでしょう。

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たんたんと繰り返される心地よいリズムのあとに、衝撃的なシーンが待っています。
絵本の可能性を広げてくれたすばらしい一冊。ジミーさんの心からのメッセージが込められています。ぜひ、お手にとって、ご覧ください。

▼『おなじ月をみて』のプロモーションビデオ

(若月)

PROFILE

写真: ジミー・リャオ

ジミー・リャオ作

1958年、台湾・台北生まれ。絵本作家・イラストレーター。中国文化大学美術部卒業後、広告会社に12年間勤務。白血病を発症し、3年間の自宅療養を経て、1998年、『森の中の秘密』(PHP研究所)で絵本作家としてデビュー。『君のいる場所』(小学館)が大ヒットし、台湾の国民的絵本作家となる。50作以上を発表し、15カ国以上で翻訳出版されるほか、映画やミュージカル、テレビドラマになった作品も多い。日本で刊行された絵本に『君といたとき、いないとき』『地下鉄』(ともに小学館)、『おなじ月をみて』(ブロンズ新社)などがある。

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写真: 天野健太郎

天野健太郎訳

1971年、愛知県生まれ。台湾文学翻訳家、俳人。2000年から台湾の国立台湾師範大学国語中心、中国の北京語言大学人文学院に留学。帰国後、台湾を専門とする通訳・翻訳者として活動し、聞文堂LLC代表として台湾の書籍や文化を日本に紹介した。
翻訳家デビュー作『台湾海峡一九四九』(龍應台 著/白水社)が話題となり、文芸、歴史、エッセイ、絵本など幅広い分野の翻訳を手がけた。訳書『13・67』(陳浩基 著/文藝春秋)はベストセラーに。ほかの訳書に、絵本『おなじ月をみて』(ジミー・リャオ 作/ブロンズ新社)など多数。
2018年、最後の訳書『自転車泥棒』(呉明益 著/文藝春秋)の刊行から2日後に逝去。

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