『くるくるくるよ おすしがくるよ』編集者インタビュー

川北亮司さんと山村浩二さんによる、『くるくるくるよ おすしがくるよ』の編集担当、山縣(やまがた)へのインタビュー!

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【広報】『くるくるくるよ おすしがくるよ』の紹介をお願いします!
【山縣】
お父さん、お母さん、お兄ちゃん・妹の4人家族が入った、なんのへんてつもない回転寿司が、実は異次元への入り口だった!
というストーリー。

川北亮司さんのふしぎなお寿司うたに合わせて、くるくる流れてくる山村浩二さんのお寿司キャラクターたちがくりひろげる、めくるめくナンセンスワールドがみどころです。

【広報】“回転ずし”が舞台ですが、企画はどこから?
【山縣】
回転寿司にいったときに、「回転寿司ってDJブースみたいだな、音楽が流れてラップとかはじまったら面白いのに・・」とふと思ったこと。

最近の小学生に関するニュース記事で、「休日楽しかったこと」というテーマで作文の宿題が出ると、家族で回転寿司にいったことを書く子が多い、というのを読んだこと。

このふたつが、企画のスタート点です。
できれば、若いお父さん、読み聞かせをラップ調で!

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【広報】作家の方はどのようにピックアップしましたか?
【山縣】
読み物をずっと書かれていた川北さんが、ここ数年手がけられた絵本のテキストがフレッシュで面白く、回転寿司の本は川北さんにぜひお願いしたい!と思っていました。
「ラップみたいな回転寿司のうた」というオーダーで、すぐにかきあげてくださったテキストが、読んだことのないナンセンスな面白さにあふれていて、とても嬉しかったのを覚えています。

さて、絵はどなたにお願いしようと考えたとき、ずっと憧れていた山村浩二さんのアニメーション「頭山」のワンシーンが思い浮かびました。
男の頭のうえに桜の木が生え、そのまわりをサラリーマンのおじさんやOLさんが浮かれ騒いでいる・・
ありえない光景が、どこか日本画のような雰囲気ももちつつ、生々しく画面いっぱいにひろがって迫力がありました。

お寿司のレーンのうえにあんな世界がひろがってくれたら面白いなぁと。
今まで出された絵本も素晴らしく、お寿司キャラもキュートに描いていただけるのでは、という期待がありました。

お忙しいと聞いていましたが、ほかの方がどうしても思い浮かばなかったので、ダメでもともとと思い、思い切ってお願いしました。
山村さんは この秋に公開になる、5年ぶりの短編アニメーション「マイブリッジの糸」の制作が佳境に入っていて実際大変なお忙しさだったのですが、北亮司さんのテキストのナンセンスっぷりをとても気に入ってくださり、OKをいただけました。

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【広報】製作期間はどのくらいかかりましたか?
【山縣】
テキストを書いてくださった川北亮司さんにお手紙を出したのが、2009年の10月で、2009年の年末には、テキストはほぼ書き上がっていました。
その後山村さんに絵を依頼し、ラフに合わせてテキストも少しずつ修正を入れていただきました。

お寿司の登場の順番を変えたりとラフの調整には時間がかかりましたが、原画制作は集中して短期間でしあげてくださいました。
発売は2011年の3月ですから、依頼から発売まで、1年半くらいかかっています。

【広報】ここはこだわった!という部分はどこですか?
【山縣】
言葉で表現されていない世界を、さらにひろげて思いっきり描いてくださいと山村さんにお願いし、何度かラフを書き直してくださった末、今の原画をあげていただきました。
回転寿司が異次元の世界につながって、親子がまきこまれていく感じを表現していただき嬉しかったです。

それから、これは山村さんのこだわりですが、お寿司の白い米をひきたたせるために、原画には「鳥の子」という、うっすらと優しい色のついた和紙を使っています。

【広報】ここで、こっそりラフをお見せしちゃいます!
キャラクターの設定や、色、紙など、作家さんと編集との細かなやりとりが見てとれますね。

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タイトルも表紙も、最初は全然違うものだったようです!

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【広報】一押しのキャラクターはどれですか?
【山縣】
川北さんは「サーモンママさん」、山村さんは「まぐろのさむらい」、がそれぞれお気に入りだそうです。
サーモンママさんは、最初はもっとマダムっぽかったのですが、川北さんのナイスご提案で“ビキニ姿でダイエットにはりきるママ”になり、ユーモアと迫力が増しました。

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山村さんは、まぐろのネタ部分をちょんまげに見立てた擬人化が自然な感じでできたこと、雄々しい部分、女々しい部分の二面性を面白く表現できた、ということで、まぐろのさむらいを気に入っていらっしゃいました。

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私は、いろいろなページに登場するお米の妖精のとりこです。
すごくかわいいです。ページの端々をよーく探してみてくださいね。
ちなみにメガホンで野球の応援しているシーンが、驚愕の愛らしさです。

【広報】ちょっと笑えるエピソードをひとつ教えてください!
【山縣】
山村さんの好きなお寿司のネタが、まさかの巻物「鉄火巻き」だったこと。
なんてチャーミングなんだと思いました。
(そういえば私も子どものころはかんぴょう巻きしか食べられなかったです。)
ちなみに川北さんの好きなお寿司は、はまちとイカ。なんだか男らしいです。

(蛇足ではありますが、私は「いわし」が好きです。)
みなさんもまわりの方に好きな寿司ネタを聞いてみてください。
お寿司占いなんてあるといいのにな…

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【広報】今、どんな作品を手がけていますか?
【山縣】
6月下旬に、工藤ノリコさんのペンギンきょうだいシリーズの続刊、『ペンギンきょうだい ふねのたび』が発売になります。
今年はあいにくバカンスできなそうだな〜(涙)なんて思っている方にうってつけ。
絵本をひらけば2分でバカンス!できるお得な1冊です。
工藤さんの愛とユーモア炸裂!の、ほのぼのとした世界が、丁寧に緻密に描き込まれています。
ご本人いわく、一作目よりも、さらに描き込みが細かくなっていますので乞うご期待!とのこと。
来週いよいよ、原画をいただきにあがる予定です。

 

以上で、『くるくるくるよ おすしがくるよ』の新刊インタビューでした!
ありがとうございました!!

PROFILE

川北亮司文

1947年、東京都生まれ。児童文学作家。『はらがへったらじゃんけんぽん』(講談社)でデビュー。同書で日本児童文学者協会新人賞を受賞。子どもの本を中心に、漫画原作、演劇脚本、エッセイなど、幅広い分野で活動している。
絵本に『ぼくのいえにけがはえて』(石井聖岳 絵 /くもん出版)など多数。読みものに「マリア探偵社」シリーズ(理論社)など、著書多数。

作家特集ページ

山村浩二絵

アニメーション作家、絵本作家。1964年、愛知県名古屋市生まれ。東京造形大学絵画科卒業。多彩な技法で短編アニメーションを制作。『頭山』がアニメーション映画祭の最高峰、アヌシー、ザグレブ、広島をはじめ6つのグランプリを受賞、第75回米アカデミー賞にノミネートされる。また『カフカ 田舎医者』がオタワ、シュトゥットガルトほか7つのグランプリ受賞。国際的な受賞は60を超える。ほかの代表作に『カロとピヨブプト』『年をとった鰐』など。世界各地で回顧上映、審査員、講演多数。絵本作品に『くだもの だもの』『おやおや、おやさい』(ともに福音館書店)、『くるくるくるよ おすしがくるよ』(ブロンズ新社)、「しきしきむら」シリーズ(岩波書店)など。ほかにもアニメーションに関する書籍など著作は多数。

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