
▲絵本『天女銭湯』
インパクトあるこの表紙、店頭で見てぎょっとされた方もいるのでは?
この絵本をつくったのは、ソウル在住のペク・ヒナさん。

「人形いたずら作家」を自称するペク・ヒナさんは、カリフォルニア芸術大学でアニメーションを学び、アニメ制作の手法をもとに、独自の撮影スタイルで、絵本作家になりました。

『天女銭湯』は、幼い頃、銭湯で遊んだ記憶をヒントに生まれました。
「滝の壁画と岩があり、奥の山にはきっと山神さまが隠れている」と、少女ペク・ヒナは想像したそうです。
男の神さまは女湯に入れないから、そこには天女がいるにちがいないと物語がふくらんでいきました。

ソウル中かけずり回って、当時の佇まいを残す銭湯を見つけ、銭湯を借り切って、スタッフ総出で撮影されたそうです。

人形はスカルピー粘土。成形してオーブンで焼き上げ、着色します。シーンに合わせて、アトリエでは何十体も制作。

撮影には、バービー人形を使って立体世界を測定。水中を思わせる浴槽シーンは、アクリル板に泡を書いて演出されています。
ペク・ヒナさん自らカメラマンとなって、スタッフの総指揮にあたりました。

「韓国の絵本が熱い ! 」と世界的に評価が高まるなかでも、もっとも注目を集めているのがペク・ヒナさん。
デビュー作『ふわふわくもパン』は、2005年ボローニア国際ブックフェアで受賞し、8言語に翻訳され、40万部を記録しました。

※日本語版は、小学館さんより刊行されています。
しかし、出版社との著作権問題から、ペク・ヒナさんの作品が海外で紹介される道は長らく閉ざされていました。
ボローニアのブックフェアで、ブースを構えるブロンズのお隣は、韓国ブース。
ペク・ヒナさんの本を出しているBaer Booksと何度もミーティングを重ね、数年越しに著作権契約にこぎつけました。

ブックフェアがはじまる前の、設営風景。通りをはさんで、左がブロンズブース。右が韓国ブースです。

いよいよ翻訳出版できるとなって、訳すのは誰だろう?と考えました。ペク・ヒナさんの、懐かしくて、心にぐっと迫るこのあたたかな世界を表現する訳者を、当初は女性を候補に考えていました。あるとき、「日本にいるよ ! ソウルメイトが ! 」とひらめいたのが、この方でした!

長谷川義史さん!
原書をお送りすると、画伯は二つ返事でOK。「韓国にこんな絵本作家がいたなんて、びっくりやわ〜」
韓国のエージェントに連絡すると、驚喜のメール。「ペク・ヒナさんも、出版社の編集長も、みんなみんな、長谷川ファンなんですよ ! 」

ペク・ヒナさんのお父さまは日本語を解す方で、長谷川訳をお送りすると、ペク・ヒナさんから絶賛の感想が届きました。
「韓国オリジナルよりも、素晴らしいニュアンスの言葉になりました ! 」
こうして、夢のコラボが実現したのでした。
▼絵本『天女銭湯』特設サイトはコチラ!
https://www.bronze.co.jp/tennyo_sento/index.html
メイキングビデオのほかに、ペク・ヒナさん、長谷川さんのコメントもあります!
(若月)